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2018.12.02 Sunday

『ペトルス――謎のガンマン』  第23回

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     翌1212日、2人の刑事と管理事務所の係官は朝9時から部屋に閉じこもって、514日と15日の出国カードをあたった。インドネシア国籍の出国カードと非インドネシア国籍の出国カードは別々の段ボールに入れてあった。

    「だいぶ作業になれてきたぞ。警察をしくじったらここで記録保管係に雇ってもらいたい」

     マデ刑事がそう言いながら514日の出国カードの1枚をじっとみつめた。

    「あったぞ」

     マデ刑事が長机の上に置いた出国カードを、ブラタ刑事と管理事務所の係官がのぞき込んだ。

     

      出国カード番号:      QG0585651

      フルネーム:        Rafael Zeta Aquino

      性別:           M

      パスポート番号:      28338736

      発行場所:         Montevideo URUGUAY

      有効期限:         2003429

      目的地:          Hong Kong

      搭乗便名:         CX784

     

    「カードに押してある入国時のスタンプは? どれどれ、ああ、スカルノ・ハッタのものだ。ジャカルタから入国したわけか。入国日は1998510日だね」

    「さあ、いこうか」

    マデ刑事が立ち上がりかけた。

    「ちょっとまて。残りのカードにウルグアイのパスポート保持者がいないことを確認しておこう」

     ブラタ刑事が先輩らしい落ち着きをみせた。

    「このカードのフォトコピーをとっていただけますか。それから、現物は証拠として警察が借りることもありますから、慎重に保管していただきたい」

     ブラタ刑事とマデ刑事は意気揚々と出入国管理事務所の玄関を出た。お昼の太陽がまぶしかった。雨季でもバリの空はカンカン照りになることがまれではない。

    「どこかでミーでも食っていこうか」

    ブラタ刑事がマデ刑事を誘った。州警察本部の近くのワルンでミーを食べ、刑事たちは警視の部屋へ報告に行った。

    「でかした」

     ライ警視が叫んだ。

    「では、ジャカルタに出張してチェンカレンの出入国管理事務所で、1998510日に入国したウルグアイ国籍のラファエル・セタ・アキノ氏の誕生日が1961422日であることを入国カードで確認してもらおう。ご苦労だった。俺はこれから昼飯を食いに出る。ミーでもつきあわないか。おごるよ」

     

     

     

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